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ライフサイクルと組織人の自己成長課題

今回は、ライフサイクルと組織人の成長課題について紹介します。
下記の図表の左欄はクライアントや被支援者のライフサイクルの課題について(よって胎児期、乳児期については被支援者から省く)、右欄については企業などの組織人としての課題を記載しています。

ライフサイクルならびに組織人としての課題






組織人としての課題
1)入社3年目における主体的行動課題
入社3年目が「主体性元年」と思われる位、この年次は自らの主体性を見直す時期です。その背景には義務教育が終ってから、どの高校に入るか、どの大学に入るか、そして就職するか大学院に行くか、そしてどの会社に就職するかなど数年に一度は大きな選択をしてきました。しかし、会社に入るとそのような選択がなくなってきます。ローテーションなどで新しい職場に移ることによって一から仕事を覚えていくことでできればまた新鮮な気持ちになれるのですが、同じ職場や同じ仕事をしていると意欲や能力がプラトー(高原状態)に陥ってきます。仕事についてただこなすだけになったり、惰性で仕事をしたりします。
一方組織や上司からは、自分の考えを持ち行動する、自らのビジョンや目標を設定していくという主体的な生き方が求められてきます。それは単に仕事に習熟するというだけではなく、組織人としての成長が期待されてくるからです。
入社3年目の主体性確立の行動課題を多い順にまとめると次のような結果になっています。(複数企業 280名からのデータ)

1位 自分のビジョンや目標を持つ
2位 自分の意見や考え方を上手に伝えることができる
3位 自分から進んで意見や考え方を伝えることができる
4位 感情のコントロールができる
5位 決定したことを実行に移すことができる

2)50歳における主体的行動課題
この年代は、今まで確立したアイデンティティーが揺らぎ主体性の再確立が必要になってきます。従来の終身雇用や年功序列が崩れ55歳で基本給の頭打ちになったり、55歳で役職定年になったり、50歳や55歳で再雇用になるなど雇用環境が大きく変化しています。一方、体力や気力も低下したり人間関係や家族関係が質的に変化してきます。
上智大学の名誉教授であるアルフォンス・デーケン氏は中年期(40~64歳)の危機を次のように8つにまとめています。(「よく生き、よく笑い、よき死と出会う」新潮社より引用、一部筆者修正)

1.時間意識の危機:中年期は主観的なカイロス時間意識(残された時間が少なくなってきたという感覚)に目覚める時である。

2.自分の役割意識の危機:多くの人は中年期までに社会的に一つの役割を果たす。しかし現在の長寿社会では、更に第二の人生が控えている。

3.対人関係における危機:中年期になり、協調性や柔軟性が失われ対人関係がスムーズにいかなくなる。深刻な問題は、長年連れ添ってきた夫婦間の関係がうまくいかなくなり、家庭内離婚や家庭内別居とよばれている事態が生じたりする。

4.価値観の危機:若いときには、仕事の業績を上げること、地位を獲得すること、財産を築くことなどに大きな価値を置がちです。中年期にはこの価値観が揺らぎ始める。

5.思いわずらう危機:中年期になると、健康に関する不安や将来に対する不安など、無用な不安や思いわずらいが増えてくる。それにより貴重な精神的エネルギーを消耗してしまい、創造的な人生を送れない。

6.平凡な人生の危機:中年以降になると、仕事も家庭も平凡な繰り返しが多くなりがち。その結果、次第に生きる意欲や喜びが感じられなくなります。更には、倦怠や怠惰、無気力なあきらめなどを引き起こしてしまう。

7.死に直面する危機:中年になり、初めて自分は段々と「死」に向かっていることを意識させられる。また、家族、友人、隣人などの死に遭遇することが増えてきて、否応なく、人間の死について考えざるを得ない。

8.真面目になりすぎる危機:若い人が社会のルールやマナーを破っていると無性に腹が立ったり、何事も真面目にことに取り組みすぎたりする。

現在の日本社会では主体的に生きていくのは若い人より中年期の方が難しいのかも知れません。ある国内通信事業会社のセルフ・エンパワーメント研修で参加者200名に主体性的行動課題をあげてもらったところ下記のようになっていました。

1位 健康管理
2位 仕事以外の目標(趣味など)にもチャレンジ
3位 後継者の育成
4位 配偶者との人間関係再構築

この年代は仕事オンリーではなく、健康に留意し、趣味を見つけたり、夫婦の人間関係の再構築など、人生全体のバランスを図ることが主体的行動課題のようです。

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